「空飛ぶタイヤ」 by 池井戸 潤
2002年の三菱ふそうのトレーラー脱輪事故を基にした小説であり、フィクションとしてはいるが、企業の隠蔽体質とそこに挑む被害者(トレーラーを所有する運送会社)の真相究明に向けた熱意がこの本の魅力!
普段あまり小説は読まないが妻の勧めで読んでみると非常に面白く800Pを超える長編作だが一気に読んでしまった。
概要
赤松運送の所有するホープ自動車製造のトレーラーのタイヤが走行中に突如外れ親子を直撃、母が死亡する事件が発生。社長の赤松は警察から整備不良について執拗な追及を受けるが、自社の整備体制に不備はなく、ホープ自動車に調査を依頼する。ホープ自動車の隠蔽体質はすさまじく、一行に調査は進まない中で容疑をかけれら社会的信用を失った赤松運送は倒産の危機に陥る。
最後は赤松自身の調査と良心のある銀行の助けとでホープ自動車のリコール隠しを見事暴き出し無実を証明するが、そこに行くまでの赤松の熱意が「社長足る者の気概」を強く感じ読んでいる者を熱くさせるストーリーでした。