日本人は必要性の低い保険に入りすぎ
今回は「保険」の必要性について個人の見解を述べてみます。
加入するかどうかの基準
①「万が一が起こった時に発生する費用を自分の資産内で払えるか?」を考えることが重要。
自動車保険の場合ですが、交通事故で人を轢き殺してしまった場合、億単位の補償を求められる可能性があります。億を超える金額はとても普通のサラリーマンでは支払えないため自動車保険は加入が必要です。
ですが、例えば生命保険に「骨折・脱臼 5万円 / 回」のような特約がありますが、これは加入する必要はありません。骨折でかかる医療費は自分の資産内で十分支払えますし、何より5万円くらい誰でももっています。
②保険金がおりたら得とは考えない。
「せっかく保険金を納めるのだからいづれ補償を受けたい、補償はお得か!?」と考えてはいけません。先ほどの骨折保険は、骨折ならする可能性があるし補償が受け易いから加入したくなりそうですが、保険は「補償が受けとり易いものほど保険料が高額になりますし、そもそも「万一に備える」という保険の概念から逸脱しています。
保険金はお金を払って安心を買うものであり、補償をもらえることを期待して選ぶと損をします。「支払った保険金は返ってこない」ものと自分の中で納得するべきです。
補償を受ける=病気などの不幸を意味します、保険金=精神的な安心料と考え補償のことは考えないようにしましょう。
「健康な方には〇〇年ごとにお祝い金支給」も当然不必要です!
お祝い金はあなたが支払った保険料の中から保険会社の利益を抜いて一部分をあなたに返しているだけです。
例えば5年ごとのお祝い金無しの保険料が10万円/年、お祝い金有りの保険料が15万円だったとします。前者は5年で50万円、後者は75万円の支払いですが、お祝い金は絶対に25万円は貰えません。なぜなら一度企業に払ったお金は企業が利益を吸い取るからです。たぶんお祝い金は10万円程度でしょう、残りの15万円は多くとられたに過ぎません。
③どんな不幸が家計をより圧迫するか考える
例えばですが、一家の大黒柱が事故で急死した場合と、幸い亡くなりはしなかったものの障害が残り、残りの人生働けなくなってしまう場合とを比べるとします。
家計にとってどちらが重大な問題でしょうか。
A.急死の場合、葬儀代がかかりますし今後の収入が途絶えます。
B.障害者となった場合、収入が途絶えますし今後一生医療費がかかります。
より備えが必要なのはBではないでしょうか?
こういった場合に備えて『収入保障保険』に入るのは良い選択だと思います。
但し、日本は国が手厚い補償を提供してくれる補償大国ですので、必要以上に高額な補償を付ける必要ありません。
④補償の期間を絞る
家計の負担が大きいのは子供が高校・大学に進学した時の学費ですが、卒業した後は大きな負担はありません、であらば補償は子供の卒業前までで良いのではないでしょうか? 必ずしも一生涯の補償を求める必要はありません。
自分がどいいう事態に備えるのか、備えに対して掛けられる補償はいくらなのかをよく考える必要があります。
国の補償について良く調べる
日本は手厚すぎる医療保障のせいもあって財政が不健全ですが、万が一の事態が起こった際には非常に安心できる国でもあります。
高額な医療保険に入る前に国の補償がいくらで、あといくら足りないのか考える必要があります。