中国人とのビジネス注意点① メンツがなにより ⇒ でもメンツを利用できれば強い
長い中国生活で色々な中国人と知り合い、中国人には中国人の素晴らしい面もあり
「日本人はかなわないなぁ」と思うことも多々ありました。
ただ、今回は私の思う中国人の欠点をご紹介します、今回はメンツです。
メンツ
中国人はとにかく面子を重んじます、本来の意味はともかく少なくとも現代の中国人にとっては
メンツ=見栄えであり、外から見える経済的豊かさであり、人から賞賛されることです。
皆さんが仕事で中国に行ったら面子については注意してコミュニケーションをとらないといけません。例えば部下が失敗をしても、みんなの前で叱責してはいけません。
叱責されたとしても自分の行動の結果なのだから甘んじて受け入れろと思うのが日本人かもしれませんが、中国で仕事をしている以上中国人の面子を蔑ろにしないように配慮しないと中国での仕事はうまく進みません。
中国人の面子を理解して対応するのは面倒に思うこともありますが、国籍の違い相手ですから、
相手の習慣・考え方を勉強して逆にこちらがそれを理解し対応・利用できるようになれば優位に交渉を進められることもあります。
「メンツを利用した交渉例」
中国の地方都市のお客さんを日本に案内するため新幹線に乗っていた時のことです。
事前の注意にも関わらず、お客さんは新幹線内で普通に携帯で電話をします。
何度か言い方を変えて注意しましたがやめてくれず、恥ずかしいのでついに「あなたがそういうことをすると一緒にいる私の面子がないからやめてくれ!」と言ったところでようやくやめてくれました。
「日本では車内で電話はNGだからやめてくれ」と言っても駄目ですが、「あなたの行動で私のメンツが傷つけられている!」と伝えれば中国人は敏感に反応するのです。
念のため中国人のメンツのために補足しますが、中国では地方出身者は比較的素養が低いことがあります、対して北京・上海などの大都市の人はスマートで、特にホワイトカラーとなれば日本の習慣を重んじるなどは当然理解しているし、素養が高くマナー守れますのであくまで人によります。
「メンツの功罪と損失」
少なくとも現代の中国人にとって「メンツ=見栄え」です。中国人自身がどう思っているかは
さておき、私の観点から言えば「面子が命」は中国人の大きな欠点に他なりません。
例えば車の購入についてですが、ただの移動手段として考えるならなるべく排気量が小さく車両も小型を選ぶべきです。
これが金銭面でも無駄が少ないし、仮に環境問題を考えても一番エコな選択です。
(車を買わずに公共交通機関使えばよりエコ)
本来であればできる限り地球環境に配慮した選択をすることが、真に面子が立つ行いのはずです。
但し、中国人は車体も排気量も大きい高級車を購入します、その理由は中国人は車を移動手段としては見ておらず自分の経済的裕福さを第三者に見せびらかすことが一番の目的であり、「自分の富を自慢する=メンツ」となるからです。
取引先の26歳の中国人男性が結婚のために約600万円の新車のアウディを購入しましたが、
その人の月給は約22万円です。
車はあくまで消耗品であり10年乗れば使えなくなりますし、毎月の出費も増えてしまいます。それがこの青年にとってどれだけ大きな経済負担になることでしょうか。別に中国メーカーの80万円程度の車や、カローラなどの大衆車でも良いと思いますが、メンツがそれをさせません。
中国人は自分のメンツを満たすために、常に経済的に大きな負担を抱え無理をし続けなければならない。また内面ではなく外面を重視する考えは物事の本質を見間違えている。
これが私が大きな欠点と考える一番の理由です。
少し話を富裕論に移しますが、世の中の金持ちは地道にサラリーマンをして得られた給与所得を貯蓄してお金持ちになっているのではありません。
世の中の金持ちになった人は株式などの投資を行った人か、起業して成功した人のどちらかであり、大半は前者の投資です。
所得の中から毎月一定額を投資に回し、「お金がお金を生む」循環を作り出したのです。
決して価値を生まない消費財に大金を使うことはしません。
究極的には所得の多い少ないで金持ちなれるかが決まるのでは、お金の使い方で決まるのです。
話を戻しますが、例えば私が中国人のように結婚前にどうしても車を購入しなくてはならないとしたら中古の軽を選びます。イニシャルコスト/ランニングコスト共にそれが一番お買い得だからです。
ここでアウディを買ってしまうと廃車に迎えるたびに10年単位で経済的な大きな支出を出し続けることになり、貴重な投資の原資を失ってしまいます。
ただ中国人は他人が自分を見る目が命の次に大事であるがために、常に他人の目に見える消費財にお金を注ぎ続けお金持ちにチャンスを逃し続けていると言えます。
ただ、一見欠点に見えるメンツであっても、これを企業の視点から見るとこうも言えるのです。
「ブランド品など中国人のメンツを満足させられる商品価値・商品イメージの確立できれば高額で売れる!!」
もし中国人が見栄を気にしなかったとしたら、日本車など全く売れなかったかもしれません。
中国人に日本車を選んだ理由を聞くと品質や燃費の良さを挙げますが、中国人の本心は
「ベンツは高すぎるけど、さすがに中国の国産車ではメンツがないからトヨタにしよう」です。
ただ友達の前で「ベンツを買うお金はない」とは言えないので
燃費がいい・品質がいいからトヨタにしたと言うのです。
こう考えれば多くの企業が中国人のメンツのお陰で多額の利益を上げていると言えますし、
企業や一人のビジネスマンとして、メンツを理解した上での行動やメンツを満たす商品設計の大切さを理解することが必要になるのです。
何故こうなんだと怒らず、他国の習慣・考えを尊重する
国をまたいで仕事をしているとどうしても現地の習慣に馴染めなかったり、理解に苦しむ考え方があります。ただそれは日本に住んでいる外国人も同じように日本人に対して感じていることのはずです。
例えばですが、上述の新幹線の例のように日本では電車の中での電話は禁止されています。
理由はうるさいからでしょうか。それでは静かな声で話せばいいと思いますし、何人かで一緒に乗車している人が話しているのと何が違うのでしょうか。
私がたまに帰国した時は不便に感じますが、これは外国人も当然のように感じている不便さだと思います。
大事なのは人には人それぞれの考えがあるように国によって国の制度やルール・国民の考え方も違うということであり、それを尊重する姿勢が大事だという事です。