通訳を通すときの話し方 注意点

今回は中国に赴任し通訳を頼って第三者とコミュニケーションをとる場合の注意点をまとめます。

1,通訳は直訳しない、 性格を反映したニュアンスに変えてしまう

中国赴任したばかりの方は特に心得ておいてもらいたいですが、「あなたの部下の日本語のできる社員はあなたの話す日本語を100%同じニュアンスで通訳するわけではありません」これは通訳の日本語レベルによっておきるのではなく、通訳者の性格とあなたの中国人の考え方への理解の程度によるものです。 これを理解した上で通訳をお願いしないと後々トラブルを招きかねないので注意してください。

《 伝えるニュアンスを変える・意味の強弱を変える 》

例えば工場長であるあなたが、現場の課長に対して注意するとします、あなたにとって課長は部下ですが、通訳者にとっては部下ではなく目上な存在かもしれません。そうなると通訳者としては工場長の立場からと同等の口調では話せず、弱めにお願いするようなニュアンスで中国語を伝えます。

あくまで例えですが、

あなた ⇒  通訳担当:「加工場が汚いので、片付けなさい」

通訳担当  ⇒   課長 :「これからは加工場の担当者も5Sを重視していきましょう」

弱気な通訳担当は目上の課長に「片付けなさい」などとは言いにくいのです。

 

逆に対顧客などの交渉の場面であなたが丁寧な言葉遣いをしていたとしても、

通訳者が強気な性格であればニュアンスを強めて発言します。

また必ずしも日本語能力が高くない通訳の場合、内容を省略して伝えたり意味を誤って通訳してしまうことも頻繁に起こりえます。

これを防ぐために通訳に日本語を伝える時に難しい内容はゆっくりと話し、重要な部分は繰り返して話すなど工夫しましょう。

2,文は長く話さず頻繁に区切る

一文一文を長く話されると最初に話された内容を覚えていられないのです。内容を覚えきらないので当然通訳できません。これは語学レベルに関係なく起こる問題ですが、ただ語学レベルが低い通訳の場合、部分的に訳がうまく引き出せないことが頻繁に起こりえるので、そこに引っかかり力を取られるので余計に全体の内容を忘れてしまうことが起こりえます。

どれくらいの長さで話せばいいのかと問われると、回答が難しいですが、普段日本人同士で話しているスピードや区切の長さと同じレベルで話さないことを意識するだけでも意思が相手に伝わり安くなると思います。

3,話にまず結論を言う、何が言いたいのかをしっかりと言葉にする

日本人は「まず過程や状況を説明し、最後に結論を話す」とはよく言われる話ですが、

特に外国人相手に通訳を介す時に「結論・何がいいたいのか」を言葉にすることが非常に大切です。

通訳はまず自分が文を対象言語に組み立てなおす過程でまず要点知ってから文を組み立てようとします。

相手に話すときも要点から話したいのですが、序盤から中盤にかけてずっと状況説明や前置きが続くと

通訳自体始めにくいという問題が起きます。

例えばですが、顧客との打ち合わせで「普段購入している製品の、より大型の新機種開発の依頼を受ける」場面を想定します。

日本人部長:「製品開発には人員を割かなければなりませんし、時間もかかります。

また開発後の受注金額の予測も難しいです~ …………… それから最後に結論を言う

などと前置きが入りますが、上記には2つの結論が予想されます。

 

A  肯定 : 御社が時間的猶予をくださり、具体的な販売目標をご教示くだされば新機種の開発を進める

ように社内で検討させて頂きます。

B 否定 :まずは社内で検討させて頂きますが、開発に割ける人員がおらず新機種の早期開発は難しいと思わ

れます。

言い方は色々あると思いますが、一般的な日本人の場合、前置きを長々と話し、結論をなかなか言いません。場合により結論自体はっきり言わないことも多々あります。

通訳担当が既に部長の意思を理解している場合は良いですが、事前にすり合わせを行っていない場合、

結論がどうくるのかずっと待っていなければなりません。

結論が肯定である場合と否定である場合では文全体の話し方も変わってきますし、何より分からない一部を頭の中に記憶し続けながら他の部分を通訳しなければならないのは通訳者にとって大きな負担です。

まず結論を話すことで通訳者は文の流れを組みやすくなります。

4,あなた自身が中国語を覚える

赴任してすぐは無理だと思いますが、あなたも赴任した以上は中国語の勉强をして、少しづつでも中国語を覚えるようにしてください。

ブログ概要で中国語の上級レベルを目指す必要はないし、「多少話せる・多少聞き取れる」でもそのレベルに応じた意味があることを解説していますが、あなたが多少でも通訳の話す中国語を理解できれば通訳の間違いやニュアンスの違いに気付くことができるのです。

またあなたが語学の勉強を始めることで通訳の難しさを実感できるため、ゆっくり話すなど通訳への気遣いもできるようになります。

また工場内においてはあなたが何も話せないのと少しでも話せるので従業員の態度も変わります。

従業員が発言に気をつけることもあるでしょうし、あなたが従業員の意見を聞きたいときには通訳というフィルターを通さない本音が聞けます。通訳を通した話は必ずしも100%同じ内容ではない可能性あるからです。

 あなたも上司に報告する時に多少自分の都合がいいように言い換えることはあるでしょう、人は誰しもフィルターをかけてしまうものです。

また間接的な効果ですが、例えば3年赴任していても全く話せない人もいれば3年で日常会話が問題なくできるようになる人もいます。

従業員や中国顧客からの目でみれば明らかに後者の方がイメージが良いです。前者は「こいつは中国には興味がないんだな」と思われます。

プライベートは場でも中国語を覚えて中国人とより多くコミュニケーションをとることで、

中国人の考え方を学べるのです。

人との信頼関係を築く意味でも通訳を通さず自分の口で話すほうがより友好関係を築きやすくなります。

40歳を過ぎてから中国に赴任した人で「いまから勉強を始めても無駄でしょう」と思う人も多いかともいます。確かに年齢の影響は大きく必ずしも「キレイな発音」を修得するのは難しいかもしれません。

でも大丈夫です、社内の人間であなたと毎日のように言葉をかわす人であればあなたの発音の癖も理解して聴きとってくれますから、諦めずに勉強してください。

あなたの下手な中国語が社内の雰囲気を和ますきっかけになるかもしれないですよ。

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