留学生や駐在員の語学学習ポイント
今回は留学や将来の駐在を考えている方向けに
・「留学や駐在が語学能力向上にどこまで役立つのか」
・「留学期間/海外居住期間の長さで語学能力がどこまで変わるのか」
・「海外居住をすればそれだけで語学力が伸びるのか」
について中国歴10年の経験からお話したいと思います。
特に自分で留学先の地域や環境を選ぶことができる学生さんは留学先を決める参考になると思うので、是非一読ください。
まずは海外での居住歴と語学能力の間に関係性あるのか、考えをまとめてみようと思います。
結論から言うと「 海外歴の長さ = 語学能力の高さ 」ではありません。
私もよく知り合ったばかりの人に
「中国に10年いるんですかぁ~、すごいですね。じゃあもう中国語はかなりお上手なんでしょう?」
などと話しかけられますが、違和感を感じるのは「10年いるから中国語が上手だ」と言われる点です。
中国で色々な日本人とも知り合いましたが、2~3年の短期間でもかなりのレベルに達している人もいれば、20年間中国で生活していても中国語がろくに話せない人もいます。
これは努力の差であって「中国のいることが自体」が起こした変化ではありません。
ここを理解し違えると「留学さえすれば中国語が話せるようになる」と思ってしまいかねませんが、
誤解したままの状態で留学生活や駐在生活を送ると、結局たいした進歩もせずに帰国期限を迎えることになります。留学前・赴任前に中国語の勉強をしなくてもよいですが、
「中国にいる時間をどう使うか、語学の学習環境をどう作るか」は何より重要です。
《 語学習得の視点でみた留学・駐在のポイント 》
1,日本人同士で群れるのはNG
留学であれば都市部の日本人留学生が多い学校は避け、3級都市・4級都市に留学し、
自分の周りには中国人しかいない環境を作る。
日本人留学生に囲まれて生活すると、私生活でも日本人同士で固まってしまい、日常的に日本語しか話さない。そうなると授業でしか中国語を使わずに貴重な留学期間を無駄に過ごします。
※ただ中国の場合、内陸部の都市などあまりに田舎な地方都市を選ぶと、
現地の人が日常話している言葉が方言で、標準的な北京語とかけ離れてしまう場合があるので注意。
駐在員であれば地域は選べませんが、毎晩日本料理屋で食事を済ませたり、日本人がサービス提供する場所からは距離を置き、「日本人会」などの日系企業の集りで知り合った日本人とばかり一緒に行動しない。
せっかく会社に中国人社員がたくさんいるので、社員とコミュニケーションをとる。
最初はうまくコミュニケーションが取れなくても継続的にとる。
留学や駐在での語学勉強の優位な点は「語学を使う環境を簡単に手に入れられる」ことです、この優位性を最大限に発揮できることを第一に考えてください。
2,現地生活に語学面で「困る」ことも大切
人間誰しも困難に直面すると、その状況を解決しようと努力するものです。
逆に困らないと状況をより良くしようとする気力は沸き起こりにくいものです。
私が中国生活を始めた時は拼音(ピンイン)の存在する知らずに渡航したので、
日常生活に非常に困りました。
スーパーに買い物に行ってレジで値段を言われてもいくらだか分からず、毎回100元札(日本で言う1万円札)を出していたので嫌な顔をされますし、日本のレジのように客側に金額が表示されないので、レジをのぞき込んで金額を見ようとしても嫌な顔をされました。
タクシーでは目的地が言えないので、ひたすら「次の角を右・次の角を左・まっすぐ」の3種類だけを覚えて説明するので、こちらもタクシーの運転手からすれば面倒な客です。
今でこそスマホの通訳アプリなども発展してきましたが、当時何もない中で中国語を全く話せず生活というのは非常に疲れるものでした。
ただ、だからこそ「この状況を改善しなければ!」と自分を奮い立たせて語学学習の努力に繋げられたのです。
留学生は留学する前にある程度日本で勉強をしてから留学する人が大半だと思うので、私ほどひどう状況にはならないと思いますが、それでも学校で文法の勉強しかしてこなかった人が中国に行っても、中国人の話はあまり聞き取れないと思いますし、尚更まともに話すこともできません。
仮に話せても一般的な中国人はあなたの発音は聞き取れないでしょう。
そこで恥をかいてもよいのです。この挫折があなたに必要なことであり、
この挫折を力にして勉強に励めばよいのです。
3,話す勇気・飛び込む勇気で伸びる
誰しも「下手だと恥ずかしい」と思う気持ちはあると思います。
ただ留学は話す練習をするためのものであり、「キレイな発音で文法の間違いなく話す」ことではありません。それはあなたの最終的な目標であり、今まさに勉強している人は正確さを気にせず話すことが何よりの成長に繋がります。
まずは日々話すことと、中国人コミュニティ―に飛び込む勇気を何より大事にしてください。